2023年4月9日
地学研修会 『和歌山県広川町・湯浅町方面へ観察会』の報告
2023年4月8日(土)に,地学研修会『和歌山県広川町・湯浅町方面へ観察会』を実施いたしました.今回は久しぶりにバスをチャーターしてのイベントでした。
前日まで雨が降っていましたが,この日は降水確率が低く無事に実施することができました.
京都駅八条口アバンティー前《団体バス乗り場》に7時50分に集合し,和歌山へと出発しました.
今回は和歌山県立自然博物館学芸員の小原正顕先生にご指導いただきました.小原先生は古生物の専門家で,和歌山県の地質や古生物について詳しい方です.
お昼12:00頃に有田郡広川町和田に到着(4/21日追記 採集地は「広川町和田」ではなく「広川町山本」でした),少し急な階段を下りて海岸へと降りて化石の採集地に到着.まずは小原先生に湯浅層で採取できる化石を教えていただきました.
ここでは主に貝化石が採集可能なのですが,湯浅層としては恐竜の歯の化石が出土するそうです.
お昼ご飯を食べつつ化石の採集,さすがに恐竜の化石は見つかりませんでしたが,2時間弱の採集時間の中でほとんどの参加者の方が貝化石を見つけることができました.
海岸を出発した後にトイレ休憩.湯浅町は醬油や金山寺味噌でも有名であるため,休憩場所のお土産屋さんで醤油・味噌・ミカンなどを買う人が続出.レジに行列ができるような状態になってしまったのもいい思い出かと思います.
帰りのバスは,さすがに疲れているために寝ている人も多かったですが,19:00前に無事京都駅に到着.
充実した採集会となりました.
2023年3月2日
研究室のリニューアル + SEM-EDXの近況
研究室の床の張替えに伴い、机などを新しくしました。
明るい色になり明るく見えます。
床の張替えに伴い机や棚の整理に時間が取られてしまい、なかなか他の業務が進みませんでしたが、ようやく時間が取れるのではないかと思っています。
またついでといっては何ですが、この場でSEM-EDXに関する近況報告もしたいと思います。
益富地学会館はSEM-EDX(HITACHI S-3000H)について、現在以下の4つの課題を抱えています。
・ 益富地学会館では炭素蒸着することができない
・ SEM制御用PCの関係で、撮影した画像データを他に移すことができないです
・ 益富地学会館では鏡面研磨することができない
(定量性の良い化学組成分析をしたい場合は、鏡面研磨する必要があります)
・ 標準試料の用意ができていない
なので今現在は益富地学会館の機器のみで定量性を考えた分析はできません。
上記4つの課題にどのように対応するか、今後考えていきます。
ちなみに下記の観察内容であれば可能です。
・ 導電性の良い試料あるいは炭素蒸着した試料の観察(ただし画像データを持ち帰ることはできません)
・ 定量性にこだわらない化学素組成分析
2023年1月9日
県の鉱物 |
年末の会館の大掃除の時、ひょんな事から 「地学研究 第47巻第4号(1999年4月発行)」 に「全国都道府県別『県の鉱物』試案」というタイトルの投稿があることを知りました(著者は岡本鑑吉さんです)。
近年、地質学会により県の石(岩石・鉱物・化石)が選定されましたが、20年ほど前にも似たような試みが地学研究にあったのは驚きです。岡本さんの選んだ県の鉱物と地質学会が選んだ県の鉱物を表にしてまとめてみましたので見比べて楽しんでみてください。
両者の比較に対するコメントは控えさせていただきますが、両者ともに様々なことを思案しながら選定したことが感じられます。
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