本文へ移動

研究員のつぶやき

貴方の自慢の鉱物標本を世界に発信しませんか!
 来年夏!アメリカの鉱物雑誌「Mineralogical Record」誌に「Mineral Collections in Japan」と銘打って日本のコレクタションが掲載されます.益富地学会館が関係するイベントではありませんが,皆様の鉱物標本の写真を世界に発信できるような面白い企画だと感じ,ここに紹介させていただきます.
 詳しくは下の『 招待状(Mineral Collections in Japan』(PDF)をご覧ください!!

PDFの要点は下記の通りです。
  1.  締め切りは2025年12月15日 → 2026年3月15日
  2.  掲載費用は、2ページ単位で1ページあたり600ドルとなります。(最大12ページまで)
  3.  標本は自形結晶標本に限られます。
  4.  提出資料は、(a) 肖像写真、(b) 簡単な経歴、(c) デジタル形式の標本写真、(d) 写真キャプションデータ です。
  5.  デジタル写真は、必ずしもプロのカメラマンにお願いする必要はありませんが、鮮明なものをお願いします。編集側に不満があると撮り直しの指示があります。デジタル写真の品位は400dpi以上で、jpg.、psd.、tiff. の拡張子のみ有効です。
  6.  ポートレート写真は、鉱物所有者が夫婦の場合は、ペアでの写真が必要です。
  7.  提出文章は日本語でもOKですが、可能ならGoogle翻訳などで英文にしてください。あとは編集者側で最適化して、校正の段階でコレクター側に確認が返されます。
  8.  お支払いは、クレジットカードとなります。
  9.  本件について日本では埼玉医科大学の田邊一郎先生がご案内をしてくださっております。詳細を知りたい方は, こちら を参考に田邊先生までご連絡ください。

掲載された時の形式については”Mineral Collections in Italy”を参考にしてください

※田邊一郎先生より許可を得て”Mineral Collections in Italy”を掲載しております.

2026年1月20日

『京都府相楽郡笠置町へ岩石鉱物観察会』の報告
 2025年11月30日(日),京都府相楽郡笠置町にて野外研修会を実施いたしました.今年は熊の目撃情報が多く,笠置町内での確認はなかったものの,周辺地域では複数の目撃が報告されていたため,十分な警戒が必要な状況でした.周辺地域で被害が発生していた場合には,中止することも検討していましたが,幸いにも目撃情報のみで被害は報告されていなかったため,予定どおり実施することといたしました.定員は25名としておりましたが,申込開始日の初日に満席となるほど多くの方にお申し込みいただきました.
 参加者の皆さまには,午前10時にJR関西本線・笠置駅へお集まりいただきました.この日は雲ひとつない快晴で,野外研修会には理想的な天候となりました.笠置駅を出発して20分ほど歩くと,目的地へと続く山道の入り口に到着しました.周辺地域では熊の目撃情報があったため,ここで単独行動を避けること,指導員が熊鈴や熊撃退スプレーを携行していることなど,熊への備えについて説明を行いました.
観音坂での観察・採集風景
 山道へ入り,急な尾根道を登っていくと,最初の目的地に到着します.この道にはかつて階段が整備されていたようで,以前は歩きやすかったと思われます.しかし現在は足場が荒れており,さらに落ち葉が多く滑りやすくなっていたため,慎重に進む必要がありました.目的地には大きな岩に観音石仏が彫られており,その近くには石墨の採掘跡と思われる窪みが見られます.ここでは花崗岩中に石墨鉱床が分布しており,電気石を伴うことが特徴とされています.
 ここで昼食をとりながら,鉱物の観察と採取を行いました.窪みの内部には電気石が露出している露頭も見られましたが,多くの転石に電気石が含まれていたため,露頭から積極的に採取しようとする参加者はそれほど多くありませんでした.
急な坂を下る様子
 石墨と電気石はどちらも黒っぽく見えるため,電気石特有の自形結晶による光沢や,細い針状の産状などを手がかりに識別する必要があり,特に石墨中に含まれる電気石は,慣れるまで見分けるのが難しい状況でした.一方,石英やカリ長石に伴って産する電気石は比較的識別しやすく,結晶の形もはっきりしているものが多く,立派な標本を採取している参加者もいらっしゃいました.
 12時10分に観音坂を出発し,下山を開始しました.次の目的地へ向かう途中で笠置駅の近くを通過するため,駅で一度トイレ休憩をとり,その後,木津川の上流へと向かいました.
指導員による解説の様子
 笠置駅周辺の河川敷は広大なキャンプ場になっていますが,そのさらに上流には,柳生花崗岩の露頭や巨大な転石が点在しており,ボルダリングの名所として知られています.現地に到着すると,予想以上に多くのボルダリング愛好者で賑わっていました.その方々が読んでいる本を遠目に見ると,各岩に設定されたボルダリングのルートや難度が詳細に記されたガイドブックのようで,この場所がそのような専門書が発行されるほど有名なスポットであることに改めて驚かされました.
 私たちはこの場所をボルダリングスポットとは知らず,岩石観察のポイントとして岩場を歩きながら目的地へ向かいました.下見の際には岩場が乾いていたため特に気になりませんでしたが,当日は地面が湿っており,想像以上に滑りやすい状況でした.
柳生花崗岩と片麻岩の観察ポイントで捕獲岩を観察する様子
 目的地では,柳生花崗岩と丹波帯の堆積岩を起源とする片麻岩を観察しました.柳生花崗岩は赤褐色の石英が特徴的で,笠置町周辺の民家の石垣などにもよく使用されている石材です.また,ここで観察できる片麻岩は,柳生花崗岩に取り込まれた捕獲岩(ゼノリス)として産するもので,周囲に分布する丹波帯の堆積岩由来のものと比べて,より高い変成度を示しています.
 そこでしばらく観察を行った後,笠置駅へと戻り,14時過ぎに到着しました.開始前は熊の出没を心配していましたが,幸いにも目撃することはなく,無事に研修会を終えることができました.
公益財団法人 益富地学会館
〒602-8012
京都市上京区出水通烏丸西入
中出水町394
電話:075-441-3280
FAX:075-441-6897

【開館時間】10:00~16:00
TOPへ戻る