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研究員のつぶやき

2026年7月1日

鹿児島地学巡検の報告(II)
執筆者 大嶋了爾会員 
地学巡検2日目  実施日: 3月16日(日)
 午前8時30分,JR鹿児島中央駅西口の薩摩切子タワー付近に集合し,赤石鉱山へ向けて出発しました.道中,車窓からは広大な茶畑が広がっており,お茶の名産地である鹿児島県ならではの風情を感じることができました.
赤石鉱山の集合写真
◇赤石鉱山(南九州市)
 南九州市にある三井串木野鉱山株式会社の赤石(あけし)鉱山を見学しました.同社生産部採鉱課の大城さんより,鉱山の歴史や鉱床の成り立ち,採掘方法についてご説明いただいた後,日本でも珍しい「南薩型金鉱床」の露天掘採掘場を見学しました.普段見慣れない重機による大規模な採掘の様子は迫力満点で,参加者みな大いに盛り上がりました.
 展望箇所から全景を観察した後は,実際にハンマーを手に取り,鉱石の観察を行いました.筆者は,酸性の熱水によって変質した多孔質の珪化岩(けいかがん)の隙間に産する自然硫黄や黄鉄鉱を確認することができました.かつては坑道採掘も行われていたとのことで,参加者の皆さんも熱心に採集や観察を楽しんでおられました.
川尻海岸の採集風景
◇川尻海岸(オリビンサンド)
 次に,開聞岳(通称「薩摩富士」)の西側に位置する川尻海岸へ移動しました.ここは黒い砂が特徴的ですが,砂浜に降りて目を凝らすと,黒い磁鉄鉱の粒の間に鮮やかな黄緑色の粒が見つかります.これが今回の目玉である「オリビン(olivine/かんらん石)」です.
 藤原先生より観察方法のレクチャーを受けた後,各自ざるや椀を片手に観察を開始しました.大きな粒を探そうと,筆者も夢中で椀をふるいました.天気にも恵まれ,開聞岳を望む絶景の中でとる昼食もまた格別なものでした.
摩藩英国留学生記念館で 説明を聞く様子
◇長崎鼻海岸での砂鉄観察
 続いて,開聞岳の東側に位置する長崎鼻海岸を訪れました.ここはフラワーパークや売店が隣接する観光スポットですが,地質学的にも興味深い場所です.海岸には黒い砂が帯状に堆積しており,磁石を近づけると面白いように砂鉄が引き寄せられる様子を確認できました.長崎鼻・川尻の両海岸浜で採集した砂の粒の大きさや種類が異なっており,とても興味深かったです.
◇山川発電所展示室(指宿市)
 最後の目的地として,指宿市山川にある九電みらいエナジー山川発電所の展示室を見学しました.山川発電所の解説員の方から,地熱発電の仕組みやエネルギー利用についての解説をいただきました.発電所内では,地中から湧き上がる蒸気の力やタービンが回転する音を間近に感じることができました.地域の自然条件を活かした発電方法について学び,私たちの生活と自然環境との関わりを再認識する良い機会となりました.
 一日を通して,薩摩半島の多様な地学的特徴を肌で感じることができました.現在も稼働している鉱山での露天掘り見学,海岸での鉱物観察,そして地下の熱エネルギーの利活用まで,多角的な視点から地域の自然環境を考察する貴重な経験となりました.実際のフィールドに立つことで,文献だけでは得られない深い知見と示唆を得ることができ,大変有意義な一日となりました.
公益財団法人 益富地学会館
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【開館時間】10:00~16:00
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