2025年7月9日
四国地学巡検の報告(その3)
◇3月22日(土) 巡検三日目
朝8時にホテルルートイン新居浜をバスで出発,愛媛県から徳島県へ向かいました.途中,コンビニエンスストアで昼食・飲み物を購入し,この日の最初の目的地である徳島県吉野川市山川町の川田川かわらへ向かいました.
川田川のかわらは以前にも当館の巡検や野外観察会で訪れています.国道からかわらまで近いこと,高圧変成岩に特徴的な青色片岩(藍閃石片岩)が多く見られることがほかのかわらにはない魅力になっています.ここの変成岩類は高越山周辺に分布するもので,川の上流にあった高越鉱山は含銅硫化鉄鉱鉱床(キースラガー鉱床)の鉱山として有名でした.
川田川のかわらは以前にも当館の巡検や野外観察会で訪れています.国道からかわらまで近いこと,高圧変成岩に特徴的な青色片岩(藍閃石片岩)が多く見られることがほかのかわらにはない魅力になっています.ここの変成岩類は高越山周辺に分布するもので,川の上流にあった高越鉱山は含銅硫化鉄鉱鉱床(キースラガー鉱床)の鉱山として有名でした.
バスを降りてかわらに降りると,すぐに美しい藍青色の青色片岩と紅簾片岩が目立ちます.特に青色片岩は繊維状~針状の藍閃石が多く含まれ,日に照らされると独特の絹糸状の光沢が美しく目を引きます.
このかわらでは青色片岩や紅簾片岩のほか,緑色片岩・点紋片岩・黒色片岩など様々な結晶片岩類が見られます.またごくまれにエクロジャイトが見つかることがあります.写真2は昨年7月に,京都ミネラルショー特別展示の調査の際に朝倉顯爾専門員が発見したものです.特別展示会場でも展示していましたので記憶に残っている方もあるかもしれません.
このかわらでは青色片岩や紅簾片岩のほか,緑色片岩・点紋片岩・黒色片岩など様々な結晶片岩類が見られます.またごくまれにエクロジャイトが見つかることがあります.写真2は昨年7月に,京都ミネラルショー特別展示の調査の際に朝倉顯爾専門員が発見したものです.特別展示会場でも展示していましたので記憶に残っている方もあるかもしれません.
昼前にバスに戻り最後の目的地である徳島県三好市山城町井ノ川原へ出発しました.午後1時過ぎ井ノ川原へ到着,国道沿いにバスを止めて産地に向かいました.
ここの褶曲模様の見事なスチルプノメレン片岩は,『鉱物採集の旅②四国・瀬戸内編,宮久三千年・皆川鉄雄』(1975,築地書館)に掲載されて世に知られるようになりました.第31回益富地学賞写真部門優秀賞を受賞された矢作哲朗氏の写真を覚えている方もあると思います(館報2024年2月号5頁参照).1975年に本で紹介されて50年経過した現在でもそのまま姿を変えずにこの美しい露頭が残っているというのは奇跡的なことだと思います.
ここの褶曲模様の見事なスチルプノメレン片岩は,『鉱物採集の旅②四国・瀬戸内編,宮久三千年・皆川鉄雄』(1975,築地書館)に掲載されて世に知られるようになりました.第31回益富地学賞写真部門優秀賞を受賞された矢作哲朗氏の写真を覚えている方もあると思います(館報2024年2月号5頁参照).1975年に本で紹介されて50年経過した現在でもそのまま姿を変えずにこの美しい露頭が残っているというのは奇跡的なことだと思います.
ここは国道32号線にある『井ノ川原バス停』が目印で,バス停のそばから吉野川へ降ります.有名な小歩危渓谷の少し北にあたり,JR土讃線の山城谷トンネルの南出口も目印です.バス停の向かい(川側)に家があり,その横にかわらへ降りる階段があります.急な階段を下りて100mほど下流方向へ行くと大きな露岩や転石があり,褶曲模様の緑色片岩中に挟まれて美しいスチルプノメレン片岩層をたくさん観察することができます.
ここは広いかわらがないのですが大きな露岩の間にある転石を見ると,緑色片岩・黒色片岩・礫質片岩などが見られます.スチルプノメレン片岩の美しい露頭は割らずに,小さい転石を探して標本を採集しました.
ここは広いかわらがないのですが大きな露岩の間にある転石を見ると,緑色片岩・黒色片岩・礫質片岩などが見られます.スチルプノメレン片岩の美しい露頭は割らずに,小さい転石を探して標本を採集しました.
午後2時過ぎにバスに戻り,解散地のJR岡山駅に向かいました.予定の午後5時前にJR岡山駅に到着して全員無事に解散しました.今回の地学巡検は四国の三波川変成帯の変成岩類やそれに伴う変成鉱物などを中心に観察や採集をすることができました.これからも楽しく様々な体験のできる地学巡検を企画したいと思っています.