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2026年度

2026年5月17日

鹿児島地学巡検の報告(I)
執筆者 栗山詠太会員 
金山蔵で説明を受ける様子
◇『薩摩金山蔵』見学
 JR鹿児島中央駅を出発し,貸し切りバスで1時間ほどかけていちき串木野市の薩摩金山蔵に到着.当施設は金の採掘を休止している串木野鉱山の坑道跡を鉱山資料館と焼酎の酒蔵として活用したものでした.串木野鉱山は菱刈,佐渡,鴻之舞に次ぐ全国4位の産金量を誇った鉱山で,串木野鉱山の調査陣により広域地質調査が行われ,菱刈鉱山が発見された歴史があり,その影響は計り知れません.
 最初の資料館では串木野鉱山や鹿児島の地質,金の精錬方法などをガイドの田渕さんから説明を受けた後,緑色のトロッコに揺られ約700m坑道を進みました.
坑内へ行くために乗車したトロッコ
坑内は石英脈に沿った金を胚胎する鉱脈が見られただけでなく,実際に使われていたずり運搬用トロッコや巻上げ機などがそのままの姿を残していました.年間を通して温度変化が小さいため,焼酎蔵に有効利用されていて,仄かなアルコールのいい香りが漂っていました.
 トロッコでの復路は往きでは気づかなかったのですが,鉱脈を観察することができました.外の金山蔵の建物は美しい日本庭園になっており,梅の花が見頃で,それを肴に皆さん焼酎の試飲をしながら思い思いのお土産を買っていました.
串木野鉱山の旧トロッコ道にて 鉱石を観察する様子
◇串木野鉱山の旧トロッコ道
 次に三井串木野鉱山の方に案内され,Au品位の低い鉱石を堆積していたという第一捨石場まで移動しました.鉱床は熱水によって緑泥石や方解石になる作用(プロピライト化作用)を受けた輝石安山岩中の浅熱水性含金銀石英-方解石脈であり,確認できるのは安山岩や凝灰角礫岩,石英や方解石.探すのはもちろん石英脈に入る自然金を含有する黒い脈(銀黒鉱)なのですが,紛らわしいものも多くあったため皆さん苦戦していました.1時間半ほどの採集時間で銀黒と思われるものを発見した方はわずかでした.数年前の巡検に参加された方も少なくなったといっておられました.
ちかび記念館前の集合写真
◇ちかび記念館(串木野地下石油備蓄基地)
 次に向かったのは串木野地下石油備蓄基地ちかび記念館.ちょうど高市総理が備蓄石油を放出すると発表した直後のタイムリーな見学先でした.日本で10箇所しかない石油備蓄基地の一つで,石油を地下水圧で閉じ込めるという画期的な方法を取っていました.記念館はタンクに続くトンネルの入口部分をそのまま利用されており,その奥にガラス越しに見える3連ホイールジャンボは圧巻でした.
摩藩英国留学生記念館で 説明を聞く様子
◇薩摩藩英国留学生記念館
 次に訪問したのは薩摩藩英国留学生記念館でした.ここでは鹿児島を「黎明の地」とした19人の留学生についての展示があり案内の南川さんには留学生にまつわる当時の面白いエピソードをしていただきました.串木野鉱山の鉱脈の延長がこの建物付近に位置し,石英脈が数本走っているのが波打ち際で観察できました.このうち明瞭な石英脈は,残念ながら護岸改修により観察できなくなってしまっていました.


 こうして1日目の巡検を無事に終え,鹿児島中央駅で解散しました.
公益財団法人 益富地学会館
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【開館時間】10:00~16:00
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